春の使者、鶯神楽(ウグイスカグラ)
- JBC
- 2月10日
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鶯神楽は、スイカズラ科スイカズラ属に属する日本原産の落葉低木です。早春に咲く可愛らしい花と、甘酸っぱい赤い実が特徴で、庭木や盆栽として親しまれています。
鶯神楽の特徴
鶯神楽は、樹高1~3mほどの低木です。 枝は細くしなやかで、弓なりに垂れ下がるように伸びます。葉は対生し、長さ3~7cmの卵形または楕円形で、縁は全縁です。若い枝や葉には毛が生えています。開花時期は2~4月頃で、葉が出る前に、または葉と同時に花を咲かせます。花は長さ1.5~2cmの漏斗状で、先端が5つに裂けています。花色は淡紅色または白色で、枝先に1~2個ずつ下向きに咲きます。
樹高:約1~3mの低木で、枝分かれが多く茂ります。
花:2~4月頃に開花し、漏斗状の淡紅色または白色の花を咲かせます。花は枝先の葉腋から一輪ずつ下向きに咲き、雄しべの黄色い葯が特徴的です。
実:初夏に赤く熟す楕円形の小さな果実をつけます。果実は甘く、生食可能で、「アズキグミ」や「マメイチゴ」とも呼ばれます。
葉:楕円形で無毛、春には赤紫色を帯びることがあります。
分布域と生育環境
日本全国の山野に自生し、特に明るい林縁や林内に多く見られます。 寒さには強いですが、夏の暑さにはやや弱いため、涼しい場所を好みます。
実の特徴と食用としての利用方法
5月頃に赤く熟す実は甘酸っぱく、生食できます。 栽培者によると、完熟した実は非常に甘く、子供も喜んで食べるそうです。 しかし、食べ頃の判断には個人差があるようで、必ずしもすべての実が甘いとは限らないようです。
生のまま食べるだけでなく、ジャムや果実酒に加工することもできます。 ジャムにすることで、甘酸っぱい風味を長く楽しむことができます。また、果実酒にする場合は、ホワイトリカーなどに漬け込み、熟成させてから味わいます。

栽培方法と育て方のポイント
鶯神楽は、比較的育てやすい植物です。日当たりと水はけの良い場所を好み、乾燥を嫌います。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。地植えの場合は、特に水やりは必要ありませんが、乾燥が続くようであれば水やりをしてください。
剪定は、花後に行います。徒長枝や枯れ枝を切り取り、樹形を整えましょう。肥料は、2月頃に寒肥として油粕などを与えます。
鶯神楽の名前の由来
鶯神楽が記録された最古の文献は、平安時代初期(10世紀頃)に編纂された『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』です。この文献では、鶯神楽の実を「アウ実(鸎実)」として記載しており、「ウグヒスノキノミ」とも呼ばれていたことが確認されています。
さらに、この「アウ実」という名称は、奈良時代に編纂された『楊氏漢語抄』にも見られるため、鶯神楽の存在やその異名は飛鳥・奈良時代から知られていたと考えられます。
江戸時代後期の1775年に刊行された『物類称呼』でも、この植物は「ウグイスノキ」と呼ばれたようで、「ウグイスカグラ」という名称が文献上で初めて登場したのは、幕末の1856年に刊行された『草木図説』においてです。
このように、鶯神楽は古くから認識され、様々な名称で文献に登場してきましたが、現在の名称の確立は比較的最近のことだということがわかります。
鶯神楽の名前の由来には諸説あります。
鶯が隠れる木
小枝が細かく茂り、ウグイスが隠れるのに適した樹形であることから「ウグイスガクレ」と呼ばれ、それが転じて「ウグイスカグラ」になったという説があります。
ウグイスの鳴き始める時期と花の開花
ウグイスがさえずり始める早春にこの木が花を咲かせることに由来するという説です。
神楽舞に例えた説
ウグイスが枝から枝へ飛び跳ねる様子を古式ゆかしい神楽舞に見立てて名付けられたという説もあります。
これらの説は、いずれもウグイスと木の特徴的な関係性を基にしていますが、どれが正確な由来かは定かではありません。
鶯神楽と似た植物との違い
鶯神楽と似た植物に、ヤマウグイスカグラやヒョウタンボクがあります。
ヤマウグイスカグラ:鶯神楽よりも標高の高い場所に生息し、葉や花が一般的に大きい傾向があります。
ヒョウタンボク:実が二つ合わさって瓢箪のような形になるのが特徴です。ただし、ヒョウタンボクの実は有毒です。

まとめ
春の訪れを告げる鶯神楽は、その控えめで繊細な美しさが多くの人々に愛されてきました。その名に秘められた由来や、鶯との深い関わりは、日本の自然や文化と密接に結びついています。庭木としても楽しめるこの植物は、花や実を通じて四季折々の風情を感じさせてくれます。鶯神楽を通じて、私たちもまた、自然と調和した暮らしの豊かさを再認識できるのではないでしょうか。