著者や作成時期などの詳細は、不明ながら当時の園芸文化を知る上で貴重な資料です。
要点
著者や執筆時期は不明だが、江戸の有力な植木屋が書いたと推測される。
明和・安永年間(1764~1780年)頃に作成されたとみられる。
内容は『花壇地錦抄』などからの転写が基本となっている。
著者は江戸染井の伊藤伊兵衛家の子孫か一族の可能性がある。
100品の桜草、290品の中菊など、多くの植物を栽培していた。
160品の斑入植物の図があり、当時としては非常に多い。
開花する草木を月別に記録しているが、5月で中断しているため未完成。
この書物の特徴
当時の園芸文化を知る上で貴重な資料である。
特に、斑入植物の図譜としては当時最多の品数を集めている点が重要。
未完成であることは残念だが、著者の意図や当時の園芸事情を推測する手がかりとなる。
巻上
巻中
巻下
『聚芳図説 3巻』,写. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2606793