本図は、日本で制作された三友図としては現存最古とされています。
「雪裡三友図」とは、松、竹、梅の歳寒三友が霜雪に耐える厳しい境地を描いた作品です。この図は禅林の理想を表しており、室町時代の応永~永享期に京都五山で活躍した五名の禅僧、岳林聖嵩(南禅寺七十四世)、玉畹梵芳(同八十一世)、惟肖得巌(同九十八世)、大愚性智(同九十二世)、古幢周勝(同一二六世)が七言絶句で賛美しました。本図の画人は不明です。
歳寒三友は、宋代より始まった中国の文人画で好まれる画題のひとつです。中国では、松と竹は寒中にも色褪せず、また梅は寒中に開花するので、清廉潔白・節操という文人の理想を表現したものとされます。日本では松竹梅として慶事・吉祥の象徴とされます。伝わったのは平安時代であり、江戸時代以降に民間でも流行します。
現在は、京都国立博物館に所蔵されています。